ヘッドパーツのメンテナンス
さて、ピストバイク及びスポーツバイクでの雨天走行は、大体敬遠されます。
基本的に、雨天走行したからって問題ありません。
前置きが長くなりました。
今日は【雨天後のメンテナンスをサボるとこうなるよっ!】という記事です。
今回は、
「ヘッドパーツに注目して」
金属は「錆びる」
錆は性能低下の代表原因
ヘッドパーツ。
ヘッドパーツは、上体から落ちる汗や、前輪の巻き上げる水しぶきなどで、実はかなり水分が浸入しやすいです。
ヘッドパーツを確認する
このところ雨天走行が続き、なにやらハンドルの切れが悪いと感じたので、フロントフォークを引っこ抜きました。
すると、、
うわ。きたねえっ。
見事にサビています。
ベアリングがサビついて、回転が非常に悪くなっています。
こうなると、ハンドルを切ったときに「ゴリゴリ」した感触が伝わるようになります。
正直言って、もうパーツ交換です。「リテーナー(サビている金属のボールト輪っか)」を交換した方がいいです。
あるいはヘッドパーツ自体を変えてしまうか。
いずれにしろ、予備パーツの手持ちがないので、今回は応急処置で対応します。
作業はグリスアップ。リテーナーが接する面に、グリスを入れ直していきます。
使うのはこれ。ちょっと割高感もあるけど、シマノ。
チューブ入りグリスです。
この明るい色が目印。元の色が明るいと、グリスが劣化して汚れた時にもわかりやすいですね。
「シマノ」っていうだけで謎の安心感。
このグリスは、結構な粘度があるので、「硬い」とか「回転が重くなる」とか言われますが、それってつまり「めちゃくちゃ気密性/耐久性がある」ってことなのでは?と。
実際、手についたら軽くふき取るくらいでは取れません。伸びます。
しっかり石鹸で手洗いしないと、完全に落ちないくらい。
ならば、水分からなるべく守りたい場所に使うのはベストな判断のはずです。
今回は応急処置のため交換パーツの用意までの間、
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・これ以上のパーツの摩耗を防ぐ
・少しでも水分から守る
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以上を意識して、「シマノ」を選択しました。
グリスを塗る
手早く作業していきます。
先ずはリテーナーとリテーナーが当たるワン/玉押しに付着している「古いグリス」、「サビ、汚れ」を、可能な限り除去し、ふき取ります。
その後、リテーナーとワン/玉押しにグリスを塗り直し。
上下のワンにグリスを塗りました。
ワンにグリスを塗ったら、グリスを指でグリグリ馴染ませたリテーナーをセットします。
リテーナーをセットしたら、その上から更にグリスを盛りつけていきます。
シマノのグリスは容器がチューブノズル状になっているので、このように盛りやすいです。
下ワンと下リテーナーも同じ要領でグリスアップしていきます。
グリスアップが完了したら、フォークを挿してステムなどを取り付けます。
この時、盛ったグリスがあふれてくるので、これはしっかり拭き取ります。
そのままにしておくと、また新たな汚れを呼んで汚くなりますからね。。
余分なものはふき取りましょう。
とりあえずの応急処置ですが、以上の作業で若干ハンドリングのゴリゴリ感が解消されました。
ただ根本的な解決ではないので、このようにリテーナーがサビてしまったら、早めにリテーナー交換、もしくはヘッドパーツ自体の交換も検討していいと思います。
ヘッドパーツの交換時期
最近は「メンテナンスフリー」のシールドベアリング式ヘッドパーツも主流です。
なので、今回の様なヘッドパーツ整備はさほど頻繁に必要ではありません。
しかしヘッドパーツは、BBやホイールハブ等と並んで力がかかりやすい部分です。
よって、雨天走行後だけでなく、少しでも調子がおかしいと思ったら早めにチェックすべきパーツ。
今回のケースのように、「ゴリゴリ感」が出始めたら、完全に交換時期の合図です。
また「ゴリゴリ感」がなくとも、何かのタイミングでフォークを抜くことがあれば、しっかり目視しましょう。
錆が回っていたり、ベアリングが滑らかではなかったり、ヘッドパーツ構成部品にクラック(ヒビ)が入っていたりした際は、交換を検討するべきです。
ヘッドパーツは直ぐに壊れるモノではないにしろ、不調を放置すれば、フォークコラムやフレームのヘッドチューブにダメージが広がる可能性も有りえます。
放置はダメ絶対。不調は早めに潰していきましょう。
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余談ですが、僕は雨が降ろうが台風が来ようがピストに乗ります。
近いうちにシールドベアリング式ヘッドパーツへの変更を予定していますが、そのインプレはまた今度。
miki
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