ピストバイクのブレーキ問題
シンプルで見た目がかっこいいピストバイク。
しかして、ピストバイクにはブレーキを着けなければいけません。
日本の道路交通事情による決定事項です。
・"前後の車輪(ホイール)"を制動するブレーキ機材が装着されていること
また、そのブレーキ機材については
・時速10キロのスピードで走行したとき、ブレーキをかけてから3メートル以内で停止できる性能が有ること
このような決まりが道路交通法で定められていますね。
まあ正直、スキッドになれていれば、ピストバイクで10キロ程度のスピードで走行したとき、3メートル以内で停止できなくもないです。
しかしながら、路面やタイヤのコンディション、乗り手のコンディション、そのほか様々な要因で、スキッド=ブレーキングは確実な方法ではありません。
どれだけ乗りなれてても、です。
そして、ここは法治国家日本。
法は尊守せねばなりません。
と、言うわけで、ブレーキはしっかりマウントする必要があるわけです。
どうせブレーキをつけるなら、なんとかスッキリシンプルに付けたいもの。
なおかつ、制動力/ブレーキング機能もしっかりしていれば尚良し。
今日は、特にリアブレーキにおいて、とっても「手軽な方法」でブレーキを装着する方法を記事にしてみました!
リアブレーキの取り付け箇所
リアブレーキの取り付け箇所はいくつかあります。
今現在、国内で流通しているピストフレームは競技専用車両でない限り、ほとんどがフレームのリア三角のブレーキアーチに、ブレーキ取り付け用の穴が開いてます。
ここに、これまた普及数の多い"キャリパーブレーキ"を装着するのが一般的です。
(最近では"カンチブレーキ台座"が付いたピストフレームも結構ありますが、、割愛します。)
そして、リアブレーキのデフォルトの取り付け向き&位置は、こうです▼
こんな感じ。
一般的な取り付け方法です。
もちろん、これで問題は全くありません。
けど、何やら後ろから見たときに若干野暮ったく感じてしまうのは、、
きっと私だけではないでしょう。まあ価値観の問題ですが。
そこで、今回は【逆付け】をご紹介します。
リアブレーキの逆付け
逆付け。
天邪鬼な感じ。好きな人も多いんではないでしょうか。
さて、実は「逆付け」と簡単に言っても、
今ついているリアブレーキをそのまま逆付けする事は出来ません。
そうなんです。
実は、リアにデフォルトでついているブレーキは、ブレーキホール(つまりフレーム)に加工を施さない限り、基本使えないのです。
ボルト長が短い
これが全ての原因です。
そこで、
ボルト長がながいブレーキ
これを用意する必要があります。
ボルト長がながいブレーキ。
それはずばり、フロント用のブレーキです。
これがあれば、フレームの加工無しで逆付けが可能です。
ブレーキを逆付けする
もはや、作業自体の説明は殆ど必要ないかもしれません。
作業工程については、
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・ボルト長の長い「フロント用ブレーキ」を用意したならば、
▼
・ブレーキホールにブレーキ本体のボルトを通し、、
▼
・最後にナットで締めて固定する
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以上。
とてもイージーな作業です。
ただし、いくつか注意点はあります。
画像と共に注意点を挙げてまいります。
注意点1:フレームとブレーキのパーツが干渉しないように
ブレーキ本体には、意外なほどにナットやネジ、スプリングなどの小物が多く使われています。
逆付けの際は、それらがフレームに当たり、フレームを傷付けないように注意しましょう。
僕の場合は、ブレーキのボルトにいくつか金属のワッシャーを挟んで、フレームと干渉しないようにしています。
下の画像をご覧ください。
かなりギリギリなクリアランスです。笑
1mmのワッシャーを2枚使用して、なんとか隙間を作っています。
フレームのデザインや、ブレーキの種類によっては、そのまま付けても問題ない場合もあると思いますが、取り付け時には気をつけてください。
注意点2:ブレーキシューの左右を入れ替える
"ブレーキシュー"とはつまり、ブレーキアームの先についていて、リムを挟んで制動する重要パーツですね。
これ、意外と見落としてしまうのですが、しっかり「右用」と「左用」が存在します。
ブレーキを逆付けすると、リムに対するブレーキシューの"右用"と"左用"が反転することになります。
なので、逆付の際は、元々ついているブレーキシューの右と左を入れ替えして使います。
黒々して分かり辛いですが、、
元来、ブレーキを搭載する場所は今回の逆付けではなく、正位置が一般的なため、逆付の際はブレーキシューの左右を入れ替えています。
ブレーキシューの向き確認は大事です。
注意点3:締めすぎ注意!
今回、ブレーキの取り付け/固定の際に六角ナットを使用しました。
(使用した六角ナットのサイズは「M6」サイズです。ブレーキは「シマノ105」)
六角ナットを締めこむとき、一般的にはメガネレンチやスパナを使うと思います。
その時、"締めすぎ"にご注意ください。
締めこみすぎると、パーツやフレームに余計な負荷を与え、最悪どちらかが破損します。
アルミやカーボンのフレームなら尚更注意です!
ナットを締めていき、少し手ごたえを感じたところから、ほんの僅かに締めてあげれば十分です。(感覚の話になるので説明しづらいですが。。)
ここは、それほどまでにガンガンに締め込まなくても、充分固定されます。
オーバートルクが心配な時は、"蝶ネジ"を使う手もあります。
人力で締めるので、レンチなどで締め込むよりオーバートルクになりずらいです。
実際、蝶ネジでの固定も良く実践される手法です。競輪フレーム/NJSピストのブレーキ取り付けでは、僕自身も蝶ネジをよく使います。
ブレーキ逆付けのメリット
ブレーキを逆付けして得られるメリット。
それは、「後ろから見たときのシンプルさ」です。
つまりは見た目。ルックスがすべてです。
そして横から見た時。
そして、斜め前から見た時です。
ちらっと、さりげなく。「105」のロゴが見えます。
こんな"さりげなさ"が個人的に好き。笑
"105"の愛称で有名なシマノのブレーキ。こなれた値段と制動力はさすがシマノ!
かように、"見た目の変化"がすべての逆付けですが、ブレーキの性能的にはさして変わりはありません。充分制動します。
さて、ぶっちゃけいうと。
個人的に。確かにピストはブレーキがない方がかっこいいと思います。
本来ブレーキがないのが、純粋なピストバイクです。
そして、本来の姿に機材としての美しさ、カッコよさを感じてしまうのは、ある意味仕方のない事です。
けれど基本街乗りメインでピストバイクに乗るならば、もしもの時にはブレーキレスのピストバイクは圧倒的に不利になります。
他者への配慮とルールの尊守。これは自分自身も守ることになります。
制動装置をつけて、無茶な運転をしないこと。
誰しもが楽しく自転車に乗れるためには、大事なことだと改めて思うのです。
そして。
まあ、ピストばかりを擁護するつもりは全くありませんが、、
ノーブレーキピストのみならず、全然ブレーキが効いていなくて制動できてない点では、ママチャリや軽快車なども、もう少し規制が敷かれて改善されてもいいのでは。
とも、思うのです。笑
miki
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