ハブのオイルチューニング
シールドベアリングのハブを意図的に分解し、回転を軽くするカスタムのご紹介。
今回は「後編」です。
▶前回のエントリー◀にて、シールドベアリングの分解&洗浄までを行いました。
ここからは、実際に"オイルチューン"を施していきます。
その前に。
オイルチューンについての【メリット】と【デメリット】を挙げていきます。
メリット
回転が軽くなる
→"グリス"に比べて粘度の低い"オイル"をベアリングに使用することで、ホイール回転時の抵抗が減る。
これによってハブ(ホイール)が軽く回るようになる。
スピードが乗りやすくなるため、走りやすさ/加速のしやすさにつながる
デメリット
メンテナンスの頻度が増える
→"オイル"の粘度は低いため"グリス"より流れ出しやすい。なので、チェック&メンテナンスの頻度は増える
また、【メンテナンスフリー】を謳うシールドベアリングを意図的に分解するため、場合によってはパーツの破損/寿命を縮める一因にもなりえる
ざっくりこんなところでしょうか。
実践の際は、メリット/デメリットの両方があることを覚えておきましょう。
ハブのベアリングにオイルを挿す
オイルチューン自体は簡単な作業です。チェーンにオイルを挿すことと何ら変わりません。
グリスや汚れをしっかり落とし、オイルを挿す。
それだけです。
ハブベアリングに挿すオイルは、回転体に向いた性質のものを使います。
使用するオイルについては後でご紹介します。
ではオイルを挿します。
以下は個人的にベストな挿し方です。
・まず、ベアリングのボール1つ1つに、一滴ずつオイルをたらします。▼
・全てのボールにオイルをたらしたら、一度ベアリングをぐりぐり回し、馴染ませます。▼
・再度、ボールに一滴オイルをたらします。
・そしてベアリングにシールをして密閉▼
以上、簡単ですね。
オイルチューンをせず単純にシールドベアリングのメンテをしたい場合は、ベアリングに"グリス"をしこたま盛ってやりましょう。
ハブを組み付ける
オイルを挿した後はシャフトを通して、分解と逆の手順で組み付けます。
シャフトはハブに挿す前にきれいにしておきましょう。
シャフトもパーツクリーナ―で汚れを落とし、うすーくグリスを塗っておきます。
ハブシャフトのグリスアップ
シャフトを通したら、15mm板スパナで外した、玉押しのナットを装着します。
このとき、手で回して装着する程度で十分です。スパナは使いません。
締めこみすぎに注意
強く締めすぎるとベアリングを圧迫し、回転が重くなります。
分解の際、玉押しナットが緩いことが多い理由は、コレです。
最後にロックナットを締めます。
程よい回転が得られるように、玉押しナットに板スパナをかけて保持し、供回りしないよう「ロックナット」のみを確実に締めます。
以上でオイルチューンが終了です。
ベアリングに使うオイル
GLITCH(グリッチ)オイル
今回使用したオイルは【GLITCH(グリッチ)】のオイル。ベアリングに使うのにおすすめのオイルです。
ミントカラーのきれいな色。
詳しい説明はオフィシャルサイトをご覧ください。
なんせベアリングに特化した製品なので、本当にスルスル回ります。
グリッチのオイルは他にも色々リリースされていますが、この" HIGH SPEC RUNBIKE OIL "がベアリング使いにベストです。
BORED(ボアード)オイル
他にも【BORED(ボアード)】のオイルも有名です。こちらの方が老舗ですね。
値段帯も近い上、こちらもシリーズ展開多め。
常に「改善され続ける」オイルとして有名な一品。
・・余談ですが、「サラダ油をベアリングに一滴垂らすと最高!」という知人もいました。
確かに粘度が低いオイルには違いないし、軽く回るのかも?
メンテナンス頻度は相当なものになりそうですが。。笑
シールドベアリングの性能は変えられる
以上、シールドベアリングハブのカスタムでした。
オイルチューンを行うことで、ハブの感触はかなり変わります。
また、使うオイルやグリスの性質によっても、性能の変化を感じることもできるでしょう。
使い古したハブや使わないハブがあれば、メンテナンス練習がてらに構造を見るのもいいかもしれません。
普段からハブを見る人は少数派と思います。
だからこそ、こだわってみてもいい部分なのでは。
miki
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